ECビジネスは、個人でも始められる時代になりました。ですが「始められる」ことと「企業へ成長させられる」ことはまったく別です。副業レベルで終わる人と、法人化・組織化まで進む人の違いは、準備段階での思考とスキルにあります。
これからECで企業を目指すなら、商品探しよりも先に身につけるべきことがあります。
1. 「売上思考」から「利益思考」へ切り替える
多くの初心者は「月商100万円」「月商1,000万円」といった売上目標を掲げます。しかし経営において重要なのは売上ではなく営業利益です。
ECでは、
・原価
・モール手数料
・決済手数料
・送料
・広告費
・人件費
など、多くのコストが発生します。
粗利30%の商品でも、最終利益は5〜10%ということも珍しくありません。売上が伸びても利益が残らない状態では、企業どころか継続すら困難です。
準備段階で身につけるべきは、損益計算の感覚です。
「この商品をいくらで売れば、いくら残るのか」
「広告費率は何%まで耐えられるのか」
こうした数字を即座に計算できる思考が必要です。
2. 「商品探し」より「ポジション設計」
ECは基本的に比較市場です。同じ商品を扱えば価格競争になります。企業を目指すなら、商品単体ではなく**市場での立ち位置(ポジション)**を考えなければなりません。
・誰に向けて売るのか
・どんな悩みを解決するのか
・価格以外の強みは何か
これを明確にしないと、常に競合と消耗戦になります。
準備段階で必要なのは、マーケティング視点です。
「売れる商品」ではなく、**「勝てる構造」**を設計する力を養うことが重要です。
3. キャッシュフローを理解する
ECは現金商売に見えて、実は資金繰りビジネスです。
・仕入れは先払い
・モール入金は後払い
・在庫は売れるまで現金化できない
この構造を理解していないと、黒字でも資金が尽きることがあります。
企業を目指すなら、キャッシュフロー管理の思考を持つこと。
在庫回転率、月次固定費、広告投資回収期間などを把握する習慣をつけましょう。
4. 集客スキルより「設計力」
広告運用やSNS発信も大切ですが、それ以上に重要なのは導線設計です。
・新規顧客をどう獲得するか
・どうリピートにつなげるか
・どうLTVを伸ばすか
単発販売では企業にはなれません。
顧客を“資産化”する発想が必要です。
準備段階では、CRMやブランディングの基礎を学び、「広告依存型」から脱却する設計思考を身につけましょう。
5. 経営者マインドを持つ
最後に最も重要なのは、経営者として考える姿勢です。
・短期利益より長期構造
・感覚よりデータ
・流行より再現性
これらを重視できるかどうかで、未来は大きく変わります。
ECは物販ではありません。
在庫、資金、広告、人材を動かす「経営」です。
まとめ
ECビジネスで企業を目指すなら、準備段階で身につけるべきは次の4つです。
- 利益思考
- 市場ポジション設計力
- キャッシュフロー理解
- 導線設計力
商品は後からでも見つかります。
しかし思考とスキルは、準備なしでは身につきません。
副業で終わるか、企業へ成長するか。
その分岐は、スタート前にどれだけ「経営視点」を持てるかで決まります。


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